小児頭蓋内海綿状血管腫に対する外科的治療と保存的治療の比較アウトカム:系統的レビューとメタ分析
DOI:10.3171/2025.2.PEDS24589
アブストラクト
目的:小児海綿状血管腫(CM)は、その予測不可能な性質と神経学的障害の可能性から、脳神経外科において困難な疾患である。本研究は、保存的治療と外科的治療の選択に影響を与える要因を特定することに焦点を当て、小児CMの管理戦略を探求することを目的とした。
方法:系統的レビューおよびメタ解析のための推奨報告項目(PRISMA)ガイドラインに基づき、文献の系統的レビューを実施した。治療法別に層別化した患者特性と転帰を要約するため、比較メタ解析を含めた。
結果:775例の患者を対象とした13件の比較研究が対象となり、外科的治療群が56.5%(438例)、保存的治療群が43.5%(337例)であった。非ランダム化研究の方法論的指標(MINORS)の平均±標準偏差は12.4±3.3であった。両群とも男性比率は同等であった。外科的治療群では、発作(51.3% 対 21.0%)、頭蓋内圧亢進徴候(6.2% 対 0.7%)、出血(65.9% 対 28.8%)の有病率が高かった。発作(オッズ比 3.8、95%信頼区間 2.4-5.8、p < 0.001、I² = 2.0%)および出血(オッズ比 4.6、95%信頼区間 1.5-13.7、p < 0.001、I² = 61.8%)は外科的治療の予測因子であった。病変の特徴としては、外科的治療群でより孤立性の病変(79.4% 対 68.5%)が多く、平均病変サイズも大きい(2.1 cm 対 1.4 cm)ことが挙げられた。最終追跡調査時、手術治療群の83.8%、保存的治療群の72.6%で臨床的改善が認められた(p = 0.277)。一方、症状消失率は手術群77.5%、保存的治療群50.5%であった(p = 0.033)。いずれの群でも死亡例は報告されなかった。
結論:無症状の小児CMに対しては保存的治療は安全である。症状のある症例、特に痙攣や出血を伴う場合は、手術による利益が得られることが多い。手術の適応判断は個別に行うべきであり、手術の利益を予測する因子についてはさらなる研究が必要である。
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