ヴィーデマン・シュタイナー症候群の診断と再組換えヒト成長ホルモン療法:新規KMT2A変異体の同定と既存文献のレビュー。
DOI:10.1186/s12887-025-05751-0
アブストラクト
目的: Wiedemann-Steiner症候群(WDSTS)は、低身長を含む広範で多様な臨床症状を示す常染色体優性遺伝疾患です。本研究の目的は、WDSTSに対する再組換えヒト成長ホルモン(rhGH)療法の長期的な効果を評価し、WDSTSの臨床症状と遺伝子型をまとめます。
方法:WDSTS患者5例の臨床的および遺伝的特徴を分析し、既報のWDSTS診断特徴を総合的に検討しました。結果:4例に低身長が認められ、1例に早期思春期が観察され、全例に特徴的な顔面特徴、知的障害、多毛症が認められました。2例でGHピークが正常範囲を下回っていました。rhGHを1.5~4.9年間投与された3例では身長増加(1.8、1.1、1.9標準偏差スコア[SDS])が認められ、患者5はrhGHとレウプロリドを1年間投与され、身長増加0.2 SDSと骨年齢のコントロールが得られました。KMT2A遺伝子変異5例が同定され、そのうち4例は新規変異でした。当施設のレビュー(54論文、260例のWDSTS症例を含む)では、成長遅延、知的障害、特徴的な顔貌、多毛症が本症の頻度が高い所見であることが明らかになりました。報告された229のKMT2A遺伝子変異のうち、フレームシフト変異が最も頻度が高く(37.7%)でした。
結論:当研究の所見は、WDSTSの診断と治療に用いられるKMT2A遺伝子変異、臨床的、分子生物学的スペクトラムを拡大し、WDSTS診断における遺伝子検査の重要性とrhGH療法の有効性を強調しています。
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