小児における周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頸部リンパ節炎(PFAPA)症候群―病因から治療戦略まで:包括的レビュー
DOI:10.1007/s40272-025-00699-1
アブストラクト
周期性発熱・口内炎・咽頭炎・頸部リンパ節腫脹(PFAPA)症候群は、地中海地域以外の小児において最も頻度の高い周期性発熱症候群であり、通常5歳未満で発症する。3~7日間の発熱が時計仕掛けのように反復し、口内炎、咽頭炎、および/または頸部リンパ節腫脹を伴うことが特徴である。PFAPA患者は通常、発作間期には良好な状態を維持し、正常な成長・発達を示す。PFAPAは自然治癒することが多いが、その反復性により生活の質に重大な影響を及ぼす可能性があり、症状は成人期まで持続する場合がある。本総説は、PFAPAの疫学、病因、臨床症状、診断上の考慮事項、治療選択肢に関する最新の知見を統合することを目的とした。PubMed、Cochrane Library、Scopusを用いてPFAPAに特化した関連論文に焦点を当てた体系的な文献検索を実施した。増加するエビデンスは、自然免疫の調節異常、NLRP3炎症小体の活性化、Th1優位性炎症を含む多因子性病因を示唆している。遺伝子解析研究は、PFAPAの多遺伝子性遺伝を示唆し、家族性地中海熱やベーチェット病と共通する免疫経路との関連性を示している。診断は依然として臨床的であるが、特定の症例では遺伝子検査が正当化される場合がある。標準化されたガイドラインが存在しないため、管理戦略は様々である。経口コルチコステロイドは急性発作に極めて有効だが、再発間隔を短縮する可能性がある。予防療法ではコルヒチンが発作頻度を減少させるようだが、その有効性の証拠は限定的である。一方、扁桃摘出術は根治的治療とみなされることが多いが、難治性疾患患者や耳鼻咽喉科的適応が併存する場合に推奨される。診断基準の精緻化と治療戦略の最適化、ひいては患者と介護者の生活の質向上には、さらなる研究が必要である。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
