ビタミン補給が極低出生体重児および極早期出生児の神経発達と臨床的転帰に与える影響:系統的レビューとメタ分析。
DOI:10.1371/journal.pone.0327628
アブストラクト
背景:栄養は早産児の発達に不可欠です。ビタミンは代謝機能と免疫機能の補因子および遺伝子調節因子として重要な役割を果たし、早産児の栄養補給に一般的に添加される成分です。しかし、ビタミンが院内転帰や神経発達に与える影響に関する情報は限られています。本研究の目的は、非常に早期出生(妊娠32週以下)かつ非常に低出生体重(1500g以下)の乳児において、脂溶性および水溶性ビタミン補給が新生児期ケア中の臨床的転帰およびその後の神経発達に与える影響を明らかにすることです。
方法と結果:4つのデータベースと3つの臨床試験登録簿を体系的に検索し、ランダム化比較試験(RCT)を抽出しました。2名のレビューアが独立してデータを抽出・評価し、Cochrane Risk of Biasツールを用いて質を評価しました。各ビタミンサブグループごとにランダム効果モデルを用いたメタアナリシスを実施しました。データはリスク比[95%信頼区間]で示されています。4,074件の参考文献から43件の研究がレビューに含められました。2件のみが2歳時の神経発達を報告し、水溶性ビタミン(ビタミンC:3件、ビタミンB12と葉酸:1件)に関する研究は4件のみでした。神経障害のない生存率は、ビタミンAの補充(0.89 [0.74-1.08], n=538, 証拠の確実性が非常に低い)またはビタミンDの補充(0.76 [0.46-1.27], n=78, 証拠の確実性が非常に低い)によって影響を受けませんでした。気管支肺異形成症の発生率は、ビタミンD(0.58 [0.41-0.83])とビタミンC(0.59 [0.37-0.93])により減少しましたが、証拠の確実性は非常に低かったです。早産網膜症は、ビタミンA(0.77[0.61-0.98])とビタミンE(0.10 [0.01-0.80])により減少しました(証拠の確実性は非常に低から低)。また、脳室内出血はビタミンE(0.70 [0.52-0.92])により減少しました(証拠の確実性は中等度)。培養確認された敗血症は、ビタミンA(0.88 [0.77-0.99]、中等度の証拠の確実性)により減少しました。結論:早産児におけるビタミン補充が後の神経発達に与える効果に関するデータは少なく、結論が不確実です。短期的なアウトカムに関する証拠は主に低確実性です。試験設計における著しい異質性を考慮すると、特定の補充レジメンを推奨することは困難です。登録番号:この系統的レビューは、PROSPEROに事前登録されており、ID CRD42023418552で、https://www.crd.york.ac.uk/prospero/display_record.php?ID=CRD42023418552 からアクセス可能です。
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