自閉症スペクトラム障害を有する小児および思春期における糞便微生物叢移植が消化器症状および行動症状に与える影響:系統的レビュー。
DOI:10.3390/nu17132250
アブストラクト
背景:自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する個人からよく報告される消化器症状(GI症状)は、機能障害を引き起こし、行動症状を悪化させる可能性があります。腸内細菌叢の乱れ(腸内dysbiosis)は、腸脳軸の機能障害を通じてこれらの症状に影響を与える潜在的な環境要因として同定されています。便微生物移植(FMT)は、症状の緩和に有望な治療戦略です。本レビューは、GI症状およびASD関連症状に対するFMTの有効性と安全性を体系的に評価します。方法:本システマティックレビューはPRISMA 2020ガイドラインに従い、PROSPEROに登録されました。対象は、2024年10月までに発表されたASDを有する小児および思春期を対象としたFMTに関する臨床試験です。バイアス評価はCochraneツールを使用して実施されました。アウトカムは、著者によって選択された尺度を用いて、GIおよびASD関連症状の変化に焦点を当てました。結果:この系統的レビューには、2つのランダム化比較試験(RCT)と7つの前後比較研究が含まれました。前後比較研究では、すべての研究でGIおよびASD関連アウトカムの改善が報告されましたが、RCTの結果は一貫していませんでした。前後比較研究ではバイアスのリスクが高かったのに対し、RCTでは低リスクでした。結論:多くの研究が行われてきたものの、一部の研究の方法論的限界と他の研究の矛盾する結果により、ASDを有する小児におけるFMTの有効性について明確な結論を導き出すことは困難です。介入プロトコルの多様性は、今後厳格に設計された試験において標準化されたFMTプロトコルの確立が重要であることを強調しています。
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