視索-視神経-下垂体形成不全におけるてんかん性痙攣:後ろ向きコホート研究
DOI:10.1016/j.pediatrneurol.2025.06.019
アブストラクト
背景:視神経-下垂体-中隔異形成(SOD)患者におけるてんかん性けいれん(ES)の有病率、臨床的特徴、および転帰を評価する。方法:2012年から2023年の間にSODとESの両方を診断された21歳未満の患者を対象に、後方視的カルテレビューを実施した。臨床データ、神経画像データ、脳波所見、長期予後を分析した。結果:SOD患者105例中、7例(6.7%)がESと診断された。ES発症の平均年齢は8.2ヶ月(範囲:0.1~13.3ヶ月)で、女性優位(71.4%)であった。神経画像検査では全例に視神経低形成、透明中隔欠損、脳裂症が認められた。1例(14.3%)では脳梁形成不全と下垂体小体を確認。2例(28.6%)に尿崩症を合併。全例で重度の発達遅延を呈し、非言語・非歩行状態であった。脳波検査では4例(57.1%)にハイパーサリズムパターンが認められた。最終フォローアップ時の平均年齢は9.9歳(範囲:4.6~15.6歳)であった。全例で薬剤抵抗性てんかんを発症し、発作が完全に消失したのは1例のみであった。5例(71.4%)がレンノックス・ガストー症候群(LGS)を発症した。
結論:ESはSOD患者の6.7%に発生する比較的高い有病率を示し、著しい神経発達遅延およびLGSへの進行リスクと関連している。SOD患者ではESに対する高い疑いの目を維持すべきであり、早期発見・管理が長期的な神経発達予後に影響しうる。
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