奇形性肝芽腫:臨床病理学的特徴と予後
DOI:10.1002/pbc.31903
アブストラクト
背景:奇形性肝芽腫(HB)は、小児で最も頻度の高い肝癌の稀な組織学的亜型である。本疾患の臨床病理学的特徴と予後に関する知見は現在限られている。方法:2004年から2022年までに治療を受けた奇形性HB患児20例と非奇形性HB患児129例を比較するため、多施設共同のレトロスペクティブカルテレビューを実施した。
結果:奇形性HB患者のうち、31%が治療前生検で奇形組織像を示した。全20例が術前化学療法を受け、治療対象腫瘍には以下の組織像が認められた:メラニン(14例)、グリア細胞を伴う/伴わない神経上皮(10例)、扁平上皮および渦巻き構造(9例)、粘液性および/または非粘液性腺組織(8例)、原始内胚葉/卵黄嚢様領域(3例)、および成熟および/または未熟な神経節細胞(3例)を示した。本コホートでは転移性および再発病変に奇形様組織像は認められなかった。奇形様HBは男性(男女比1.9:1)および5歳未満の小児で頻度が高かった。奇形様HB患者は化学療法への反応性が低く、初診時の転移率が高かった。早産率、多発性病変、血管浸潤、初回外科的治療戦略(切除または移植)、再発率、生存率は両群で同等であった。
結論:奇形性HBは若年患者に発生し、化学療法抵抗性を示す可能性が高い。初発時の転移率は高いものの、両群の生存率は同等であった。本研究は奇形性HB小児患者の臨床病理学的特徴と転帰を評価した最大規模のシリーズの一つであり、奇形性と非奇形性サブタイプ間の転帰を直接比較した初の報告である。
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