小児患者における舌限局性リンパ管腫:高度技術プロトコルと包括的文献分析を伴う臨床病理学的・免疫組織化学的研究
DOI:10.1016/j.jpedsurg.2025.162486
アブストラクト
目的:血管奇形(VA)は、臨床症状、生物学的挙動、治療反応性が多様である先天性疾患の異質群である。国際血管奇形研究学会(ISSVA)が開発した分類体系は現在世界標準となっており、組織病理学的特徴、血行動態、臨床経過に基づいてVAを分類している。リンパ管奇形(LM)には限局性リンパ管腫(LC)—局所性でしばしば表在性の変異型—が含まれ、巨胞性、微胞性、または混合型に分類される。この分類体系は広く採用されているものの、標準化された寸法基準や一貫した診断プロトコルの欠如がその適用性を制限している。口腔内LC、特に小児患者における発生頻度の低さと、他の血管性または腫瘍性病変との臨床的重複は、診断と管理をさらに複雑化する。本研究では、小児患者の舌に発生するLCの管理のために、高解像度口腔内超音波検査(IHDUS)とダイオードレーザーを組み合わせた統合的なハイテクプロトコルを導入する。包括的な文献レビューにより、血管異常管理の現代的枠組みにおける本報告アプローチの臨床病理学的意義をさらに位置づける。方法:全症例に対し構造化された3段階プロトコルを実施:病変の深達度・血管性・拡がり度を精密評価するIHDUS、体積・血管供給の減少を促進するダイオードレーザー経粘膜光凝固、それに続くダイオードレーザー補助下外科的切除、免疫組織化学的解析を伴う組織学的検査。
結果:組織学的に確認された舌のLCを有する7例の小児症例を治療した。全例で臨床的・画像所見が類似しており、術後には合併症なく全例で完全治癒が認められた。
結論: 既存文献の舌扁桃腫瘍治療法は侵襲的手術が中心で、標準化が不十分かつ小児に適さない場合が多い。本プロトコルは小児患者における舌扁桃腫瘍の診断・治療法として、低侵襲性・安全性・再現性を兼ね備えた臨床的価値が高いことが実証された。
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