SPTBN4関連神経発達障害(低緊張症、神経障害、難聴を伴う)の自然経過。
DOI:10.1186/s13023-025-03810-4
アブストラクト
背景:SPTBN4遺伝子の病原性変異は、常染色体劣性遺伝性「低緊張症、神経障害、難聴を伴う神経発達障害」(MIM# 617519)として知られるNEDHNDと関連しています。この疾患は、神経障害、筋力低下、および発作の稀な発現が特徴的です。本研究の目的は、疾患の自然歴を調査し、サウジアラビアの高度な近親婚集団における症候群の遺伝的および臨床的特徴を報告し、最後に報告された症例、その臨床的特徴、および疾患を引き起こす変異の概要を提供することです。
方法:本研究は、神経科クリニックと地域データベースの検索から始まり、当院(キング・ファイサル専門病院と研究センター、KFSHRC)でNEDHNDと診断された患者から遺伝的検査記録を活用しました。検索結果に基づき、追加の患者(合計n=10)を同定し、全エクソームシーケンスと確認用のサンガーシーケンスを用いた遺伝的検査を実施しました。異常なスプライシング変異を有する患者から採取したリンパ球様細胞株から抽出されたRNAに対し、RT-PCRを実施しました。最後に、疾患に関連する現在の文献と利用可能なデータを総合的にレビューしました。
結果:SPTBN4関連神経発達障害(低緊張症、神経障害、難聴を伴う)の自然歴を、NEDHNDの臨床的特徴を共有する4つのサウジアラビア家族(10例)において報告します。既知の3つの変異と1つの新規ノンセンス変異を同定し、小脳関与に関連する非典型的な臨床的特徴を強調し、RT-PCRによりスプライシング変異の病原性を確認し、既報患者の所見をレビューしました。
結論:本研究は、NEDHNDの臨床的表現型を詳細に定義し、患者の臨床的特徴の経過を比較し、既存の疾患データを活用して、遺伝的カウンセリングと着床前カウンセリングによるより良い予防計画の策定を促進します。本研究は、当国におけるNEDHNDを対象とした今後の臨床試験を支援し、可能にする可能性があります。
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