子宮内塞栓術による胎児ガレン静脈奇形の治療
DOI:10.1001/jama.2025.12363
アブストラクト
重要性:ガレン静脈奇形(VOGM)は最も頻度の高い先天性脳血管奇形である。VOGMを有し、前頭側頭間裂静脈洞径が広い胎児は、死亡、脳損傷、神経発達遅延のリスクが高い。子宮内塞栓術は生存率と予後を改善する可能性がある。
目的:本施設倫理委員会承認のVOGMに対する子宮内塞栓術の単群介入研究における初期結果を報告する。デザイン・設定・対象:米国における単施設単群介入研究。初回登録は2022年9月30日、最終追跡は2025年4月10日。対象胎児はVOGMを有し、胎児MRIで重大な脳損傷が認められず、大脳鎌静脈の幅が7mm以上であった。胎児塞栓術は超音波ガイド下で実施され、経子宮的・経頭蓋的針穿刺により前脳静脈瘤へマイクロカテーテルを挿入し、脱着式コイルを用いた。介入:VOGMを有する胎児に対する子宮内塞栓術。
主要評価項目:新生児死亡率および神経発達転帰。塞栓術前後で胎児MRIおよび心エコー検査を実施。
結果:7例が登録され、うち5例で塞栓術が成功した。母体平均年齢は32.4歳(範囲22~36歳)、胎児平均妊娠週数は35週6/7日(範囲33週6/7日~37週1/7日)、男女比は3:4(女:男)であった。平均小脳鎌状体径(10.3mm)は、標準的な周産期ケア下での90%の予期死亡率および6ヶ月時点での発達段階到達確率9%に対応した。全体的な死亡率は43%、6ヶ月時点で発達段階を達成したのは43%であった。塞栓術施行例3例(生後8ヶ月、18ヶ月、24ヶ月)は生存し、いずれも神経発達遅延を認めなかった。7例中4例で新生児期に追加塞栓術を実施。胎児心エコー検査では心拍出量が平均33.4%(範囲16%-46%)減少。7例中5例(71.4%)が予定外の分娩となり、うち3例は平均3.2日後に早産となった。
結論と意義:初期結果は胎児塞栓術の実現可能性を示した。死亡率、脳損傷、神経発達遅延の潜在的減少効果は、予定外の早産リスク増加と慎重に比較検討すべきである。試験登録:ClinicalTrials.gov Identifier: NCT04434729.
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