薬剤抵抗性小児てんかんコホートにおける超高磁場7T MRI:画像比較と放射線学的転帰
DOI:10.1212/WNL.0000000000213921
アブストラクト
背景と目的: 部分てんかんのてんかん原性病変は、従来のMRIでは微細であったり検出されない場合がある。超高磁場(7T)MRIは従来の磁場強度と比較して空間分解能、コントラスト、信号対雑音比が高く、成人における術前評価で有用性が示されている。しかし、皮質形成異常が頻発する小児部分てんかんにおける有用性は不明である。本研究では、薬剤抵抗性部分てんかんを有する小児を対象に、7Tと3T MRIを直接比較し、(1)検査耐容性、(2)画像品質、(3)病変検出率を評価した。方法:この前向きコホート研究では、ロンドンにある3つの大規模てんかんセンターの外来から患者を募集した。対象は8~17歳で、MRIの禁忌がない患者とした。スキャンは3Tと7Tの2回に分けて実施。安全性・耐容性は年齢別質問票で評価し、年齢群間差はMann-Whitney検定、参加者内フィールド間比較はMcNemar χ検定で解析。画質は小児神経放射線科医が評価し、フィールド強度間の大脳皮質厚比較で定量推定。7T MRIの病変検出率は、多職種チームによる共同レビューで評価した。結果: 63名の小児(患者41名:平均年齢12.6±2.4歳、男性22名/健常対照22名:8~17歳、平均年齢11.7±2.7歳、男性15名)を評価した。両磁場強度とも良好に耐容され、副作用は一過性であった。7Tではめまい関連の不快感がより高く(P=0.02, Cohen's d=0.89)、副作用は低年齢児でより頻繁に認められた(スキャナー騒音:P=0.02, Cohen's d=-0.36;金属味:P=0.02, Cohen's d=-0.37)。7Tでは右半球(p=0.00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000007T画像では不均一性やアーチファクトの報告が増加したものの、26例中6例(23%)で新たな病変が検出され、26例中4例(15%)で手術管理に影響を与えた(オッズ比1.86)。
考察:小児てんかん患者における7T MRIは良好な耐容性を示し、病変検出率が23%向上し、臨床管理と手術成績に直接影響を与えた。広範な診断検査を事前に行った選択コホートによる制限はあるものの、本知見は小児てんかんの手術前計画における7T MRIの変革的潜在性を強調するものである。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
