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川崎病乳児における巨大左冠動脈瘤の致死性破裂:症例報告と系統的文献レビュー
DOI:10.1016/j.carpath.2025.107766
アブストラクト
川崎病(KD)は小児期に発症する全身性血管炎であり、冠動脈瘤を引き起こす可能性がある。巨大冠動脈瘤の破裂は極めて稀ではあるが、しばしば致命的となる合併症である。 本症例は、治療抵抗性川崎病を呈した生後4ヶ月の乳児であり、積極的な免疫調節療法にもかかわらず全冠動脈分枝に急速に拡大する巨大動脈瘤を発症した。左前下行枝巨大動脈瘤の破裂による心タンポナーデで死亡した。詳細な剖検では、冠動脈病変に加え、複数の内臓動脈に及ぶ広範な血管炎が認められた。 組織学的解析では、中膜破壊を伴う汎動脈炎が認められ、血栓症や心筋梗塞の所見は認められなかった。既報症例の系統的レビューでは、同様の臨床経過と転帰が示された。本報告は、重症川崎病における全身性血管病変の可能性を強調するとともに、難治例における早期認識と強化治療の重要性を示唆するものである。
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