デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおける骨密度の自然経過の検討:系統的文献レビュー
DOI:10.1007/s00198-025-07651-6
アブストラクト
目的:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)では、進行性筋障害による体重負荷の減少および長期グルココルチコイド(GC)使用の骨毒性作用の結果として、骨粗鬆症と脆弱性骨折が重要な併存疾患として現れる。 本系統的文献レビュー(SLR)は、DMD患者の骨密度(BMD)の自然経過およびその自然進行に関連する要因を評価した。
方法: DMD患者のBMDを評価するため、系統的文献レビューを実施した。PubMed®およびEmbase®において、2000年から2023年に発表された査読付き論文を検索し、5~15歳のGC治療を受けているDMD患者に焦点を当てた。 統計解析では、骨健康バイオマーカーと臨床的要因との関連性を調査するため、初期相関分析に続いて一般化線形混合モデル(GLMM)を用いた。結果:腰椎(LS)BMD Zスコア、年齢、GC治療期間の間に強い相関が認められた。 腰椎の骨密度(BMD)面積Zスコアは、年齢とともに(-0.25 SDS/年、p < 0.001、n = 1527)、またGC使用期間が長いほど(-0.24 SDS/年、p < 0.001、n = 817)低下した。 頭部を除く全身(TBLH)および大腿骨遠位側(LDF)の骨密度(BMD)Zスコアも、それぞれ-0.26 SDS/年および-0.41 SDS/年の割合で加齢とともに減少した。 腰椎骨密度Zスコアが1SDS低下するごとに、骨折発生率21%増加(p<0.01, n=1066)。腰椎骨密度Zスコアの減少は11歳以降に顕著に加速し、高齢群では若年群より急速な低下を示した。
結論:骨脆弱性に関連する骨密度(BMD)の自然経過と疾患進行を理解することは、DMDにおける骨強度の評価と改善を目的とした臨床試験設計を支援する。我々の知る限り、これはGC治療を受けているDMD患者におけるBMD Zスコアの経過を調査した初の系統的レビュー(SLR)であり、年齢およびGC治療期間が腰椎(LS)の骨量密度(aBMD)、体幹骨量(TBLH)、および骨力学(LDF)のZスコア低下と関連していることを明らかにした。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
