脊髄性筋萎縮症における併用療法:系統的レビュー
DOI:10.1007/s00431-025-06386-0
アブストラクト
ラベルなし:本研究の目的は、脊髄性筋萎縮症(SMA)患者におけるヌシネルセン、オナセムノゲンアベパルボベック-キシオイ、リスディプラムの併用療法の安全性、有効性、臨床応用を評価し、単剤療法に対する潜在的な優位性を検討することである。本システマティックレビューは、PubMed、Scopus、Web of Science、ClinicalTrials.govから2025年5月までの研究を対象とした。二重または三重併用療法(切り替え療法または追加療法として)を対象とした研究を同定し分類した。データ抽出には患者の人口統計学的特性、治療レジメン、運動機能アウトカム、有害事象を含めた。研究の質はJoanna Briggs Institute Critical Appraisalツールを用いて評価した。985件の記録から、19件の研究と6件の進行中臨床試験が選択基準を満たした。併用療法(二重:n=26、三重:n=3)を受けた患者29名を分析した。治療変更が最も多く、特にヌシネルセンまたはリスディプラムからオナセムノゲンアベパルボベック-キオイへの変更が認められた。併用レジメンは概ね良好な耐容性を示し、相加的な毒性の明確な証拠は認められなかった。ただし、長期的な有効性は依然として不確かである。特に早期介入により、運動発達段階や呼吸機能の改善が認められた患者もいた。結論:SMAに対する併用療法は、単剤療法への反応が不十分な患者において、実行可能かつ概ね安全な戦略として台頭しつつある。現在のエビデンスは有望だが、真の有効性、最適な投与順序、費用対効果や全身的利益を含む広範な影響を確定するには、確固たる長期試験が不可欠である。
既知の事実:• SMAに対して3種類の疾患修飾療法が承認されているが、単剤療法では全ての患者の病勢進行を阻止できない可能性がある。新たな知見:• 本システマティックレビューは、SMAに対する併用療法(追加療法/切り替え療法)に関する既存のエビデンスを評価した。• 併用療法は短期研究において安全で良好な耐容性を示している。• 二剤/三剤併用療法の長期有効性と最適な投与順序は依然として不確実であり、さらなる研究が必要である。
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