乳児血管腫に対するプロプラノロール投与開始前のルーチン心臓評価の削減
DOI:10.1002/ohn.70014
アブストラクト
目的:乳児血管腫(IH)患者全員にプロプラノロール療法開始前に心臓評価を実施すべきか、あるいはプロプラノロールスクリーニングチェックリスト(PSC)に基づき選択された患者のみに実施すべきかを検討する。
方法:2008年から2018年にかけて単一三次医療機関でプロプラノロール治療を受けた806例のIH患者を対象とした後方視的検討。統計的工程管理手法を用いて、PSC導入前後の集団における心臓科推奨事項を比較したところ、チェックリスト導入後に特殊要因変動が認められた。
結果:PSC導入前にはIHに対するプロプラノロール開始前に527例(73.1%)が心臓専門医評価に紹介されたが、導入後は10例(11.5%)であった(P<0.001)。 治療開始前の心エコー検査や心電図検査などの検査実施頻度は減少した。研究期間中、治療開始が妨げられた患者はいなかった。考察:IHに対するプロプラノロール治療開始前の心臓科紹介は、懸念される徴候や症状のない健康な乳児では不要である。
臨床的意義:心臓科紹介の必要性をスクリーニングした後、ほとんどのIH患者においてプロプラノロール療法を安全に開始できる。これにより、複雑な病態の患者を抱える家族や医療機関の効率性が向上する。この時間依存性のある介入を遅延させる専門医診療の長い待ち時間を回避できる可能性がある。
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