中弓靭帯症候群:課題、併存疾患、および論争点
DOI:10.1097/MOP.0000000000001503
アブストラクト
レビューの目的:中弓状靭帯症候群(MALS)は、中弓状靭帯(MAL)による腹腔動脈の圧迫が、食後または運動誘発性の腹痛、悪心、嘔吐、下痢、口腔嫌悪、体重減少といった症状を引き起こす状態と理解されている。本レビューでは、小児MALSに関する最近の文献をまとめるとともに、この疾患で生じる課題、併存疾患、論争点を明らかにする。最近の知見:MALSが疼痛を引き起こす病態生理学的メカニズムは現在不明である。MALSでは、起立性不耐症、POTS、エーラース・ダンロス症候群などの自律神経障害から精神疾患の併存まで、複数の重複する病態が報告されている。併存する消化器疾患には、胃食道逆流症(GERD)、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)、胃麻痺などが含まれる。この重複性により、患者が経験する広範な症状の原因を特定することが困難となる。MALSは依然として複雑で議論の多いテーマであり、特に以下の点で課題を抱えている:診断基準の合意形成、小児における基準値の設定、症状の定義や相関関係の明確化、患者選択基準、予後予測、長期追跡データの不足。要約:MALS患者には、包括的な医療チームによる健康管理が求められる。また、成人対象の無作為化比較試験や多施設患者登録を含む共同研究が緊急に必要である。
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