炎症性腸疾患に対する既存の腸管超音波スコアの系統的レビューと検証研究の最新動向
DOI:10.1093/ibd/izaf183
アブストラクト
背景:炎症性腸疾患(IBD)のクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)に対し、様々な測定可能なパラメータを組み合わせた腸管超音波(IUS)スコアリングシステムが設計されてきた。本研究では、CDおよびUC向けに開発された全てのIUSスコアについて包括的な系統的レビューを提供し、特にその後の検証研究に焦点を当てた。
方法:系統的検索のため、PubMedおよびEMBASEデータベースを創刊時から2024年11月15日までスクリーニングした。成人および小児のIBD患者を対象としたIUSスコアを提案する全論文を対象とした。
結果:合計6381件の研究が同定され、23のスコアを評価した23件の研究が最終的に系統的レビューに組み込まれた。CD患者を対象とした研究は15件、UC患者を対象とした研究は6件、小児IBD患者を対象とした研究は3件であった。IUSスコア開発におけるゴールドスタンダードとして内視鏡検査が採用された研究は83%を占めた。 スコアに組み込まれた最も関連性の高いパラメータは、腸管壁厚、血管性、腸管壁層構造、炎症性脂肪であった。開発研究における対象IUSスコアの統合感度、特異度、正確度はそれぞれ68~100%、57~100%、72~91%であった。開発スコアの判定者間一致を評価した研究は23件中6件のみであった。 系統的レビューに含めた23のスコアのうち13が検証を受けており、そのうち7のみが2つ以上の異なるコホートで検証されていた。結論:IUSスコアリングシステムは、超音波検査技師間のコミュニケーションを標準化する使いやすいツールである。少数のスコアに対する最近の検証研究は、日常的な炎症性腸疾患(IBD)診療への適用可能性を確認している。
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