進行性脊髄性筋萎縮症(SMA)の非歩行児における電気診断学的および機能的バイオマーカー
DOI:10.1002/mus.70030
アブストラクト
導入/目的:脊髄性筋萎縮症(SMA)患者の治療効果を評価するには、感度の高い反応指標の特定が極めて重要である。現在の電気診断学的(EDX)指標には、複合筋活動電位(CMAP)、運動単位数指数(MUNIX)、運動単位サイズ指数(MUSIX)が含まれる。 機能的指標には、拡張版ハマーズミス機能運動スケール(HFMSE)、フィラデルフィア小児病院神経筋疾患乳児検査(CHOP-INTEND)、改訂上肢モジュール(RULM)が含まれる。本研究では、小児SMAにおける治療反応モニタリングのため、EDXと従来型機能的指標を比較した。
方法:2017年1月から2024年6月までに診察を受けた、歩行不能の遅発性(生後6ヶ月以上)SMA小児16例のカルテを遡及的に調査した。 右正中神経-短母指外転筋(APB)および尺骨神経-小指外転筋(ADM)神経筋ペアからの運動神経伝導検査(NCS)記録と機能スコアを、スピアマンの相関係数および一般化線形混合モデル(GLMM)を用いて比較した。結果:EDX測定値は、健常な年齢一致対照群と比較してSMA小児で有意に低下していた(p<0.05)。 正中短母指外転筋(APB)CMAP振幅はCHOP-INTENDスコア(r=0.64, p<0.05)およびRULMスコア(r=0.77, p<0.05)と中程度から強い相関を示し、GLMM解析ではAPB CMAPが時間経過とともに有意に低下(ベータ=-0.02, p<0.05)し、非治療群では治療群と比較して有意差が認められた(p<0.05)。HMFSEはリスディプラム単独投与患者で低下傾向を示した。考察:正中-APB CMAP振幅は治療効果を捉える感度を有し、非治療群では時間経過に伴う有意な減少が認められた。 p<0.05)を示した。HMFSEはリスディプラム単独投与群で減少傾向を示した。考察:APB CMAP振幅中央値は治療反応を捉える感度を有した。より大規模で臨床的に多様なコホートを対象に、より長期の追跡期間でヌシネルセンとリスディプラムを比較する前向き研究が必要である。
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