小児気道血管腫治療におけるプロプラノロールの有効性評価:系統的レビューとメタ分析
DOI:10.1016/j.ijporl.2025.112576
アブストラクト
目的:乳児血管腫は血管性腫瘍であり、気道に発生した場合に重大な課題をもたらす。本システマティックレビューおよびメタアナリシスは、小児気道血管腫の管理におけるプロプラノロールの安全性、有効性、投与プロトコル、および潜在的な有害作用を探求することを目的とする。
方法: Embase、PubMed、Cochrane、Web of Scienceを、創刊時から2025年3月までの論文を対象に、系統的レビューおよびメタ分析のための推奨報告項目(PRISMA)ガイドラインに従い徹底的に検索した。対象研究の質はNewcastle-Ottawa尺度(NOS)基準を用いて評価した。 本総説では、成功した治療を「担当医師による臨床評価において、患者の気道に脅威を与えない程度まで気道が完全に開通した状態」と定義した。結果:スクリーニングした835件の抄録から、12件の論文が選択基準を満たし、124例の患者を対象としていた。患者の年齢は生後2ヶ月から2.7歳(平均1歳)であった。 患者の大半は女性(n = 72、58%)であり、平均治療期間は9.3ヶ月であった。統合データは、全体的な気道クリアランス率が96.3%(95%CI 0.908-0.989、I2 = 0%)であることを示した。 特筆すべきは、最も多く報告された薬剤投与法が体重2mg/kg/日量を3回に分けて経口投与する方式であった点である。さらに、合併症の統合率は3.7%(95%CI: 0.010-0.092、I² = 0%、n = 4)であった。
結論:本メタアナリシスは、気道乳児血管腫の管理においてプロプラノロールが安全かつ有効な治療法であることを強く支持する。プロプラノロールは2 mg/kg/日を3回に分けて6~12ヶ月投与することで、96%の完全消失率と治療中止後の限定的な再発率を達成できる。
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