ワンコールアウェイ:幼児・小学生向けバイリンガル遠隔評価:システマティックレビュー
DOI:10.1111/1460-6984.70136
アブストラクト
背景:バイリンガル児童における両言語の言語・コミュニケーション評価の必要性が高まっているにもかかわらず、バイリンガル言語聴覚士(SLT)の不足は依然として存在する。遠隔評価はこのギャップを埋める有望な解決策として台頭しているが、異なる年齢層、言語組み合わせ、習熟度レベルの子どもたちにおけるその組織化、実施、実現可能性について包括的な理解が急務である。
目的:本システマティックレビューは、就学前および小学生を対象としたバイリンガル言語・コミュニケーション遠隔評価に関する既存研究を統合することを目的とする。具体的には、遠隔評価で評価される言語能力、使用されるツールと技術、バイリンガル遠隔評価に関連する組織的・実施的要因に焦点を当てる。
方法:本レビューはPRISMAガイドラインに従って実施された。APA PsycInfo、CINAHL、Education Source、Medline、Web of Scienceの5つの電子データベースを対象に系統的検索を実施。選定研究からデータを抽出し分類するとともに、Quality Assessment with Diverse Studies(QuADS)を用いて研究の質を評価した。
主な貢献: 計7研究が選択基準を満たした。本レビューでは、遠隔評価は通常、遠隔実施用に改編された標準化テストを用いて、生産的・受容的語彙および文法を評価することに焦点を当てていることが明らかになった。大半の評価は遠隔と対面の両要素を組み合わせたハイブリッド形式で実施された。遠隔評価で測定された言語能力は、対面環境で評価されたものと概ね同等であることが示され、バイリンガル遠隔評価の実現可能性が示唆された。
結論と示唆:バイリンガル遠隔評価はバイリンガル児童支援の有望な手法である一方、研究数が限られサンプルサイズが小さいため、その適用には慎重なアプローチが必要である。今後の研究では、実施のための標準化ガイドラインの策定と、バイリンガル言語聴覚士(SLT)向けの対象を絞った研修・ネットワーク機会の創出を優先すべきである。これによりバイリンガル遠隔評価サービスの質とアクセシビリティが向上する。 本論文の新たな知見:本テーマに関する既存知見遠隔実践は数十年にわたり研究されてきたが、特にCOVID-19パンデミック下で注目された。しかし、年齢・言語構成・能力が異なる児童を対象としたバイリンガル遠隔評価の研究は依然として限定的である。研究目的や対象集団の多様性により、研究と臨床実践の両面においてバイリンガル遠隔評価を組織化する最適な方法の特定は困難であった。 本論文が既存知見に追加する内容:本研究は二言語遠隔評価に関する研究を統合・批判的に評価することで既存文献に貢献する。評価対象となる言語・コミュニケーション能力、使用ツール・技術、ならびに二言語遠隔評価における組織的・実施的・実現可能性に関する考慮事項を包括的に概説する。本研究の潜在的・実際の臨床的意義:二言語遠隔評価の研究は発展途上だが、本レビューは効果的な組織手法、ベストプラクティス、課題のいくつかを明らかにする。 単一言語遠隔評価と同様に、二言語遠隔評価は一般的に対面評価と同等であることが示唆された。二言語遠隔評価におけるエビデンスに基づく意思決定をさらに支援するためには、単一事例研究と大規模研究の両方、ならびに二言語・単一言語の言語聴覚士(SLT)に対するさらなる研修とネットワーク構築が不可欠である。
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