脊髄性筋萎縮症の新生児スクリーニングの費用対効果に関する経済的エビデンス:系統的レビュー
DOI:10.1007/s00431-025-06560-4
アブストラクト
無ラベル:脊髄性筋萎縮症(SMA)は、乳幼児期の早期死亡リスクを伴う重篤な神経変性疾患である。新生児スクリーニング(NBS)は早期診断と介入を可能にする重要な公衆衛生戦略である。SMAに対するNBSプログラムの導入を支援するためには、経済評価が不可欠となっている。本システマティックレビューは、異なる国や医療環境におけるSMAのNBSの費用対効果を評価することを目的とした。 PubMed、ScienceDirect、Scopusデータベースを2000年1月から2025年6月まで検索し、SMAに対するNBSの費用対効果研究を抽出した。標準化されたデータ抽出フォームを用いて、研究特性、視点、経済評価、アウトカムなどの関連データを収集した。事前定義された選択基準を満たした研究は計6件であり、全てが費用効用分析を報告していた。 全研究が経済モデルに基づく評価であった。これらの研究は、SMAに対するNBSが医療面および社会面で費用対効果を示す可能性が極めて高いことを示唆している。6研究全てが良好な経済的アウトカムを報告し、質調整生存年(QALY)または延命年当たり増分費用対効果比(ICER)、QALY当たり費用、総費用削減額のいずれかを提示した。 これらの知見を総合すると、SMAに対するNBSは多様な環境において一貫して費用対効果が高いことが示された。本システマティックレビューは、SMAに対する費用対効果が高く命を救う公衆衛生戦略として、このアプローチを国家スクリーニングプログラムに組み入れることを支持する。結論:これらの研究は、SMAに対するNBSが医療面および社会面で費用対効果が高い可能性が極めて高いことを示した。 全6研究が良好な経済的成果を報告し、増分費用対効果比(ICER)をQALY(質調整生存年)または延命年数当たり、QALY当たり費用、総費用削減額のいずれかで提示した。これらの知見を総合すると、SMAに対する新生児スクリーニングは多様な環境において一貫して費用対効果が高いことが示された。本システマティックレビューは、SMAに対する費用対効果が高く命を救う公衆衛生戦略として、この手法を国家スクリーニングプログラムに組み入れることを支持するものである。
試験登録:PROSPERO (CRD42024608296)既知の情報:•SMAは遺伝性神経変性疾患であり、治療しないと進行性筋力低下と乳児期早期死亡を引き起こす•NBSによる早期発見は適時介入を可能にし、生存率と生活の質を著しく改善する
新規知見:• 検討文献は一貫して良好な経済的成果を示しており、大半の研究が費用削減効果または獲得QALY当たりの許容可能なICERを報告している。• これらの知見は、早期発見による適時治療が健康アウトカムの改善と長期医療費の削減につながるため、SMAを国家NBSプログラムに組み入れることを支持するものである。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。
