炎症性腸疾患の小児患者における栄養学的アプローチ:治療、リスク、課題
DOI:10.3390/nu17223545
アブストラクト
炎症性腸疾患(IBD)は、クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)を含め、小児および思春期における世界的な健康問題として増加傾向にある。 小児期発症IBDは成人発症型と比較して、より広範な病変、成長障害、思春期遅延、心理社会的困難といった特有の課題を抱える。生物学的製剤や標的療法が疾患管理を進展させた一方で、栄養介入は依然として治療の中心的な構成要素である。 経腸栄養単独療法(EEN)は小児CDの寛解導入における第一選択療法として認められており、副腎皮質ステロイドと同等の有効性を示しつつ、粘膜治癒、栄養状態、成長に対する追加的利点を提供する。部分経腸栄養やクローン病除去食(CDED)などの修正食事療法は、治療順守の向上と寛解維持に有望である。 しかし、食事制限は栄養不足や心理社会的ストレスを招く可能性があり、個別化された管理栄養士による指導の重要性が強調される。潰瘍性大腸炎(UC)における栄養の役割は明確ではないが、バランスの取れた抗炎症性食事パターンが有益と考えられる。本総説は、小児IBDにおける栄養戦略に関する最新のエビデンスをまとめ、治療効果の可能性、限界、および治療成果と生活の質を最適化するための多職種連携枠組み内での薬物療法との統合について考察する。
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