南アフリカ東ケープ州におけるCOVID-19パンデミック前後の成人および子どもに対する性的暴力の疫学:後ろ向き横断研究
DOI:10.1136/bmjopen-2024-093363
アブストラクト
目的:南アフリカ共和国東ケープ州バッファローシティ地区およびアマトーレ地区において、COVID-19パンデミック前後の成人および子どもに対する性暴力の疫学的パターンと傾向を検討すること。デザイン:2019年1月~12月および2020年1月~12月の間に医療を求めて来院した性暴力被害者の医療記録をレビューした、観察的・回顧的・横断的研究。
設定: 本研究は南アフリカ東ケープ州バッファローシティ地区およびアマトーレ地区の2医療施設で実施された。対象者: 研究期間中に両医療施設で医療を求めた性暴力被害者1957名。対象基準は全年齢の性暴力確定症例であり、性暴力の証拠がない記録は除外した。
主要・副次的アウトカム指標:主要アウトカム指標は、COVID-19パンデミック前後の性暴力の有病率と分布である。副次的アウトカム指標は、被害者の人口統計学的特性(年齢、性別、民族)、加害者の身元、事件発生場所である。結果:被害者の大多数は女性(93.6%)であり、49%が18歳未満であった。 人種は黒人が96.3%を占め、居住地域は農村部(45.6%)と準都市部(45.6%)が同率で最多であった。加害者の身元は42.5%の事例で不明であった。身元が判明した加害者では、パートナー以外(近隣住民22.5%、家族13.6%)が最も多かった。パンデミック前(n=930; 60.5%)に報告された事例数がパンデミック中(n=608; 39.5%)を上回った。パンデミック中は加害者が家族である事例が45.0%を占め、パンデミック前より高かった。 (n=930; 60.5%)がパンデミック期間中(n=608; 39.5%)よりも多かった。パンデミック期間中、45.0%の事例は加害者の自宅で発生し、53.7%は地方で発生した。パンデミック期間中の事例の大半(63.1%)は警戒レベル1(社会的・経済的活動の大半が再開された時期)に報告された。
結論:全体として性的暴力の発生率は高く、その傾向はCOVID-19制限の厳格度と相関していた。最も高い発生率はパンデミック前および警戒レベル1の期間に報告された。これらの知見は、将来の緊急対応において、女性と子どもの安全を最優先し、都市部と農村部双方における保護戦略の策定が重要であることを示している。
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