クローン病および炎症性腸疾患の小児におけるサリドマイドの適応外使用
DOI:10.31744/einstein_journal/2025RW1270
アブストラクト
サリドマイドは免疫調節作用を有し、様々な疾患の治療に活用される可能性がある。小児患者におけるクローン病治療への有効性は報告されているものの、適応外使用の安全性は十分に確立されていない。本研究は、炎症性腸疾患(特にクローン病および潰瘍性大腸炎)を有する小児・青年におけるサリドマイドの有効性と安全性を分析することを目的とした。 2001年1月から2023年5月までに発表された、小児クローン病または潰瘍性大腸炎患者におけるサリドマイド使用を調査した臨床試験および観察研究の記述的レビューを実施した。臨床試験の結果は、患者において統計的に有意な寛解率と臨床的改善を示した。最も多く報告された有害事象は末梢神経障害であり、一部の症例では服薬中止に至った。 鎮静、便秘、めまい、アレルギー反応などの他の有害作用も観察されたが、重篤なものではなかった。サリドマイドは難治性炎症性腸疾患の小児患者に対する代替治療選択肢として考慮できる。ただし、末梢神経障害のモニタリングと投与量の調整が必要である。本レビューでは、本薬剤に関連する新規または未知の有害反応は確認されなかった。
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