背景と目的:自閉症スペクトラム(ASD)児を持つ家族において、心理的な課題があることはよく知られている。その代わり、COVID-19のようなトラウマ的なシナリオがこれらの家族の心理的健康に及ぼす影響についてはあまり知られていない。本研究の主な目的は、COVID-19パンデミック時のASD児の母親と定型発達(TD)のきょうだいの心理的健康を調査することであった。次に、母親の心理的資源と子どもの心理的健康の関係を調査した。 方法:サンプルは52人の母親とその子どもで、ASDの子どもが1人、TDの子ども(4~14歳)が1人以上いる15人(ASDきょうだい群)と、TDの子ども(4~14歳)が1人以上いる37人(TD対照群)である。データはオンラインプラットフォームを通じて収集され、4つの標準化された質問票(GAD-7、BDI-II、CD-RISC 25、CBCL)が実施された。 結果:解析の結果、ASD児の兄弟姉妹はTD対照群と比較して、内向的症状および全行動症状が強いことが明らかになった。母親については、抑うつ症状や不安症状に両群間に差は見られなかった。しかし、ASD児の母親はTD児の母親に比べ、レジリエンスレベルが低いことが報告された。最後に、TD児の心理的ウェルビーイングは、ASDきょうだい児群でのみ母親の不安レベルと関連していた。 結論:全体として、我々のデータは、COVID-19の発生がASD児の家族にとって特に困難であった可能性を示しており、家族への心理的サポートを強化することの重要性を強調している。
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