背景:口腔粘膜の健康は口腔全体の健康の重要な要素であり、個人のQOLに影響を与える。口腔粘膜疾患の有病率は地域によって異なるにもかかわらず、これまでの研究ではサンプルサイズが小さく、データ解析が不十分であることが多かった。本研究は、COVID-19の影響に焦点を当て、中国における口腔粘膜疾患のスペクトルの変化について包括的な分析を提供することにより、このギャップに対処するものである。また、治療における中国特許薬(CPM)の使用傾向についても調査している。 方法:このレトロスペクティブ横断研究は、2016年から2024年の間に北京大学口腔医学部口腔外科に来院した316,166人の患者を対象とした。患者の属性、主訴、診断、CPMの使用に関するデータを収集し、分析した。統計学的比較はt検定およびカイ二乗検定を用い、有意性はP<0.05とした。 結果:患者の平均年齢は49.42±17.92歳で、女性が有意に多かった(男女比0.59)。最も頻度の高い診断は口腔扁平苔癬と再発性アフタ性口内炎で、毎年上位2位を占めていた。本研究では、年齢層による疾患パターンの有意差が認められ、口腔扁平苔癬のような悪性化する可能性のある口腔疾患が高齢者層でより多くみられるようになった。患者の52.29%がCPMを使用しており、外用療法と全身療法を使用している割合は同程度であった。COVID-19の流行期(2020-2022年)には、患者数が大幅に減少し、灼熱口症候群と口腔カンジダ症の有病率の増加が観察された。 結論:本研究は、中国における口腔粘膜疾患の管理に関する貴重な疫学データとして、これまでで最大量のデータを提供するものであり、的を絞った医療資源配分の必要性を強調するものである。重要な傾向として、女性および中高年層が罹患しやすいことが挙げられる。患者数の上位3疾患は、口腔扁平苔癬、再発性アフタ性口内炎、口腔カンジダ症であった。治療データからは、口腔粘膜疾患に対するCPMの広範な使用が示唆された。COVID-19の大流行は、総患者数の大幅な減少に関連し、心身症に関連する疾患の患者割合の増加も特徴的であった。COVID-19パンデミックの影響とCPMの広範な使用は、エビデンスに基づいた医療行為を保証するために、今後の研究でさらなる調査が必要である。 臨床試験番号:該当なし。
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