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学会レポート・取材

第52回日本小児感染症学会総会・学術集会(20/11/7~8)

国内における小児COVID19の特徴
(聖マリアンナ医科大学 小児科学教室 勝田 友博 先生)

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2020年11月7日、8日で行われた「第52回日本小児感染症学会総会・学術集会」で発表された「小児外来における新型コロナウイルス感染症診療」についてレポートする。

「国内における小児COVID19の特徴」として、聖マリアンナ医科大学小児科学教室 勝田友博先生から、日本小児科学会予防接種感染症対策委員会が行っている国内小児COVID-19症例のレジストリ調査内容を中心とした発表があった。

小児に対する感染予防策は、家族による家庭内への持ち込み防止が重要

厚生労働省の発表によると、国内におけるCOVID-19年齢階級別陽性者数において、総数89,351例のうち10歳未満は2.5%、10代は5.9%であり、小児が占めるCOVID-19陽性者数は8.4%にとどまっている。(2020年10月14日18時時点)

2020年5月より、日本小児科学会は「予防接種・感染症対策委員会による調査」として、国内においてPCR検査等によりCOVID-19と確定診断された0~20歳未満の小児患者を対象に、主治医による専用レジストリへの任意登録調査を開始した。

2020年10月20日現在、登録数は537例。(国内小児COVID-19症例の7.8%)

同調査によると、感染源が判明した481症例のうち、77%が家族からの感染であり、とくに父親からが最多であった。幼稚園保育所関係者は8%、学校関係者は5%にとどまっていた。(2020年1月~10月)

また、調査対象を多くの地域で学校が再開された9月以降に絞って再評価したところ、学校再開後においても家族からが84%。

つまり、休校措置の有無に関わらず、家庭内感染がもっとも大きな影響を与えていたと考えられる。海外からの報告においても、家庭内感染は70%以上である。

国内における小児COVID-19症例の多くは軽症であり重症化は稀

国内小児COVID-19症例の年齢別管理区分

国内小児COVID-19症例の年齢別管理区分では、ICUは1歳未満1例、1~4歳は1例のみの0.4%にとどまっていた。国内小児において多くは入院管理が選択されている。米国における18歳未満の入院率は5.7~20%。ICU管理率は0.58~2%であった。米国における1歳未満の入院率は62%であったのに対し、国内における1歳未満の入院率は98%であった。

国内においては87%が無治療で自然軽快

国内小児COVID-19症例の治療選択については、症状緩和としてアセトアミノフェン、細菌感染の合併を想定して抗菌薬の処方が一部使用されているが、87%は無治療のまま自然軽快を得られている。

国内小児COVID-19症例の予後については、予後が報告された510症例のうち、入院はしたが生存退院した症例が88%、入院も要さず軽快した症例は10%。2020年10月20日現在、海外で報告されているような小児多系統炎症性症候群(MIS-C)や死亡報告は0件である。厚生労働省からの報告においても、小児における重症・死亡報告はない。

また、海外における2,597例の小児COVID-19症例においても、無症状、軽症、中等症が9割以上を占めているが、一方で国内で報告されていない重症、最重症、死亡が5%報告されている。今後国内小児COVID-19症例数の増加に伴い、継続して調査する必要がある。

「データベースを用いた国内発症小児Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) 症例の臨床経過に関する検討」に基づく早期公開情報について
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=350

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