妊婦へのB群溶血性連鎖球菌予防接種の費用対効果は高い
「PLOS Medicine」より
妊婦へのB群溶血性連鎖球菌(GBS)予防接種は費用対効果が高く、乳児の罹患率と死亡率の大幅な低下をもたらし、医療費を大幅に削減できる可能性があるという研究結果を、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のSimon R. Procter氏らが、「PLOS Medicine」に3月14日発表した。
Procter氏らは、2020年に183カ国における1億4000万人の妊婦の年間コホートを対象に、妊婦へのGBSワクチン接種による健康への影響とその有益性に関する調査を実施した。まず、ベイズ疾病負荷モデルからGBS関連健康アウトカム(死産、児の死亡、髄膜炎、敗血症など)のリスクを組み込んだ決定樹モデルを作成した。次に、既存のシステマティックレビューなどから国別のGBS関連医療費を推定し、さらに児の死亡や長期的な障害(神経発達障害など)による影響を考慮した質調整生存年(QALY)を算出した。世界保健機関(WHO)のPreferred Product Characteristicsに基づき、侵襲性GBS(iGBS)が児にもたらす疾患および死産に対するワクチンの有効性を80%と仮定し、1回の接種費用は、高所得国、上位中所得国、低・中所得国でそれぞれ50ドル(1ドル135円換算で6,750円)、15ドル(同2,025円)、3.50ドル(同473円)と仮定した。
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Maternal immunisation against Group B Streptococcus: A global analysis of health impact and cost-effectiveness
Procter SR, et al. PLOS Medicine. Published online March 14, 2023. doi: 10.1371/journal.pmed.1004068