論文Pick Up

小児関連の海外注目論文サマリー

掲載日:
『CMC(children with medical complexity)での神経発達障害と精神障害の診断リスクは非CMCの2倍以上』のイメージ

CMC(children with medical complexity)での神経発達障害と精神障害の診断リスクは非CMCの2倍以上

「Pediatrics」より

 重度の機能障害を有し、多くの治療やサービス、支援を必要とする児(children with medical complexity;CMC)は、CMCの診断基準を満たさない児(非CMC)に比べて神経発達障害や精神障害の診断を受けるリスクが高く、それが医療の利用増加と関連していることが、「Pediatrics」に8月5日掲載された論文で明らかになった。

 米ダートマス・ヒッチコック医療センター小児病院のJoAnna K. Leyenaar氏らは、2012年から2017年までの米国の3州の全支払請求データ(APCD)を用いて、3〜17歳のCMCと非CMCにおける神経発達障害および精神障害の有病率を推定し、CMCの診断とその後の医療の利用と入院死亡率との関連を評価した。最初の3年間のAPCDデータを用いて3〜17歳のCMC例を特定し、Child and Adolescent Mental Health Disorders Classification System(CAMHD-CS)を適用して神経発達障害と精神障害の特定・分類を行った。続く2年間のAPCDデータは、医療の利用(外来診療所・救急外来〔ED〕の受診、急性期治療入院、入院期間)と入院死亡率について調べるのに用いた。Poisson回帰モデルを用いて、性・年齢などの社会人口統計学的属性と臨床的特徴(慢性的疾患と診断されている身体部位など)を調整した上で、非CMCとの比較でCMCが神経発達障害と精神障害の診断を受ける調整済み相対リスク(aRR)と95%信頼区間(CI)を推定した。さらに対象者を、1)神経発達障害と精神障害のいずれも持たない児(非CMC)、2)神経発達障害のみを持つCMC、3)精神障害のみを持つCMC、4)神経発達障害と精神障害の両方を持つCMCに分類して、医療の利用や死亡率の違いを検討した。

続きを読むには会員登録が必要です。

<会員特典>会員登録いただくと当サイトにて掲載中のMedical*Online小児科論文フルテキストが毎月3報まで閲覧可能です。
書誌事項

Neurodevelopmental and Mental Health Conditions in Children With Medical Complexity
Leyenaar JK, et al. Published online August 05, 2024. doi: 10.1542/peds.2024-065650

PAGETOP

「GrowthRing」は、日本国内の医療関係者(医師、薬剤師、看護師等)を対象に、小児医療に役立つ情報をあらゆる視点から集めて提供しています。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

このサイトのご利用に際しましては、「GrowthRing」のご利用条件が適用されます。

医療関係者の方は、一部コンテンツをご覧いただけます。

医療関係者ではない方