小児胆汁うっ滞性肝疾患における「かゆみ」の客観的評価へ - 新規評価ツール「ItchRO」の開発と有用性
「Patient」より
本稿の要点
小児の胆汁うっ滞性肝疾患に伴う重度のかゆみは、QOLを著しく低下させる深刻な症状である。本稿で紹介する論文では、アラジール症候群(ALGS)などの小児肝疾患患者を対象に、かゆみを客観的かつ標準化して評価する新たな臨床アウトカム評価(COA)ツール「ItchRO(Itch Reported Outcome)」が開発され、その有用性が示された。
背景:小児肝疾患における「かゆみ評価」の課題
胆汁うっ滞を呈する小児肝疾患、特にアラジール症候群(ALGS)や進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)の患者において、乳幼児期から続く慢性的な「かゆみ」は、患者本人と家族に大きな心身の負担をもたらしている。
しかし、小児(特に言語化が難しい低年齢層)のかゆみの程度や治療効果を、客観的かつ統一された手法で評価するための標準的なツールはこれまで存在していない。このため、臨床現場や治験において、治療介入の有効性を正確に測定することが困難であった。
研究の概要:新規かゆみ評価ツール「ItchRO」の開発
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- 書誌事項
Development of a Novel Tool to Assess the Impact of Itching in Pediatric Cholestasis
BM Kamath et al. Patient. 2018 Feb;11(1):69-82. doi: 10.1007/s40271-017-0266-4.