
電子健康記録を活用した受動的デジタルマーカーにより喘息リスクが高い児の検出精度が向上
「eClinicalMedicine」より
小児喘息の発症リスクを予測するツールはいくつかあるが、いずれも予測精度は高いとは言えず、医療現場における診断上の有用性は不明である。そのようなツールの一つである小児喘息リスクスコア(Pediatric Asthma Risk Score;PARS)を、電子健康記録(electronic health records;EHR)データを使用して新しいモデルへと改良したところ、診断の予測精度が向上し、幼児期においても喘息リスクをより正確に予測できるようになったことが、「eClinicalMedicine」に5月20日掲載された論文で明らかにされた。
米インディアナ大学医学部のArthur Hamie Owora氏らは、まず、2010年から2017年の間に出生した児6万9,109人(このうち7.65%に当たる5,290人は4歳から11歳の間に喘息と診断)のデータを使用して、従来用いられていた6つの予測因子(黒人、喘鳴、風邪を伴わない喘鳴、多重抗原感作/アレルギー、親の喘息歴、アトピー性皮膚炎)を用いるPARSを、EHRデータを使って検証した(外部検証)。
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- 書誌事項
External validation and update of the pediatric asthma risk score as a passive digital marker for childhood asthma using integrated electronic health records
Owora AH, et al. eClinicalMedicine. Published online May 20, 2025. doi: 10.1016/j.eclinm.2025.103254