
フロベントの市場撤退により小児の吸入ステロイド薬による治療中断が増加
「JAMA」より
ステロイド吸入薬のフルチカゾンプロピオン酸エステル(一般名)は、喘息の長期管理薬である。グラクソ・スミスクライン(GSK)社はこれを商品名フロベントとして販売していたが、2024年1月に市場から撤退させた。その結果、吸入ステロイド薬による治療を中断してしまう若年患者が増加した可能性があるとする研究結果が、米国小児科学会(4月24〜28日、米ホノルル)で発表されるとともに、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に4月26日掲載された。
米国では、2021年の米国救済計画法により、2024年1月から製薬会社がメディケイドプログラムに対して支払う払い戻し(リベート)の上限が撤廃された。これにより、フロベントのような薬剤ではリベートが薬価を上回る可能性が出てきたため、GSK社はフロベントを市場から撤退させた。一方、フロベントと同じ成分の「オーソライズド・ジェネリック(メーカー公認の後発薬)」の販売は継続されている。
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- 書誌事項
Changes in Inhaled Steroid Dispensing to Children After Withdrawal of Brand-Name Fluticasone Propionate
Chua KP, et al. Journal of the American Medical Association. Published online April 26, 2025. doi: 10.1001/jama.2025.4154