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アラジール症候群(ALGS)におけるマラリキシバットの長期有効性:実臨床データとの比較で無イベント生存率が向上

「Hepatology」より

はじめに:研究の結論

アラジール症候群(ALGS)患者において、小腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬であるマラリキシバットによる長期治療が、無イベント生存率(EFS)を有意に改善させることが示された。本研究は、マラリキシバット治療群と大規模な実臨床データ(GALAコホート)を比較したもので、治療群における6年後のイベント発生リスクが約70%低減するという結果を報告したものである。

背景:アラジール症候群(ALGS)と治療の課題

アラジール症候群(ALGS)は、遺伝子変異を原因とする希少疾患であり、小児肝疾患の一つである。特徴的な症候として、肝内胆管の減少に起因する慢性的な胆汁うっ滞があり、それに伴う重度かつ難治性のかゆみ、成長障害などを引き起こす。
従来、治療は対症療法が中心であり、かゆみが極めて強い症例では、QOLの著しい低下や睡眠障害から、胆汁迂回手術や最終的に肝移植を選択せざるを得ない場合が少なくなかった。
近年、マラリキシバットがALGSにおける胆汁うっ滞性そう痒症の治療薬として承認された。しかし、その長期的な効果、特に肝移植を含む臨床イベントを抑制し、長期予後を改善するかどうかは明確ではなかった。

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書誌事項

Event-free survival of maralixibat-treated patients with Alagille syndrome compared to a real-world cohort from GALA
BE Hansen, et al. Hepatology. 2024 Jun 1;79(6):1279-1292. doi: 10.1097/HEP.0000000000000727

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