背景:COVID-19の流行開始以来、急性呼吸器感染症(ARI)の疫学は絶えず変化しており、その予測は困難である。本研究では、ロックダウン後の小児患者におけるARIの疫学的変化と臨床転帰を評価することを目的とした。 方法:2021年10月1日~2022年4月30日(シーズンI)と2022年~2023年の同期間(シーズンII)の2回の寒冷期に、リトアニア最大規模の小児救急部で単施設レトロスペクティブ横断研究を実施した。COVID-19の検査を受けた18歳未満の患者が試験に登録された。試験群における他の呼吸器病原体(具体的にはインフルエンザA/B、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、A群溶血性レンサ球菌(GAS))に関する追加データも含まれた。 結果:本研究の両シーズンにおいて、19,366人の小児がCOVID-19のスクリーニングを受けた。COVID-19の陽性率はシーズンIの14.5%からシーズンIIでは5.9%に減少したが、同時に他の感染症の陽性率は有意に増加した:インフルエンザは17.5%から27.1%、RSVは8.8%から27.6%、GASは8.4%から44%であった。シーズンIIでは、COVID-19感染による小児集中治療室への入院は少なく(0.8%対3.7%、p<0.01)、死亡例はなかったが、インフルエンザによる入院の割合は高く(10.5%対6.1%、p<0.01)、死亡例は1例であった。シーズンIIではRSVによる入院の割合も増加した(34.6%対44.0%、p<0.01)。 結論:ロックダウン後の初期にはCOVID-19が減少し、小児におけるインフルエンザ、RSV、GAS感染が再燃した。シーズンIIでは、COVID-19症例はインフルエンザとは逆に軽症化した。RSV感染は両シーズンとも小児の呼吸器感染症による入院に大きく寄与し、特にシーズンIIでは顕著であった。また、COVID-19とインフルエンザの併発は、COVID-19の重症化とは関連していなかった。
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