背景:五価ワクチン、ロタウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチン(PCV)に焦点を当て、COVID-19がペルーの小児予防接種率と不平等に与えた影響を調査した。1990年代以降、ペルーは小児期のワクチン接種率の向上に取り組んできたが、COVID-19の大流行は保健システムに大きな課題をもたらした。 方法:2015年から2023年にかけて毎年実施された全国代表保健調査のデータを分析した。この調査では、18~29ヵ月の小児のワクチン接種率、すなわち五価ワクチンとPCVの3回接種とロタウイルスワクチンの2回接種を、在宅記録のデータに基づいて測定した。我々は、世帯の富の五分位階級に基づく不平等の勾配指数(SII)を用いて、個々の子どもレベルでの不平等を調査した。 結果:2019年の5価ワクチン、PCVワクチン、ロタウイルスワクチンの接種率は、それぞれ78.0%、74.5%、75.9%であった。2020年には、パンデミックの混乱によりこれらの接種率は大幅に低下した:PCVと5価ワクチンの接種率は14%ポイント低下し、ロタウイルスは12%ポイント低下した。2021年までにカバー率は改善し、2022年と2023年にはパンデミック前のカバー率に戻った。個人レベルの分析によると、調査期間全体を通じて富裕層による不平等が存在したが、2020年のパンデミック時に急増し、貧困層の子どもは富裕層の子どもよりも接種率が大幅に低下した。この傾向は2021年と2022年には逆転し、不平等の指標はパンデミック前の水準に戻った。理由はまだ明らかではないが、2023年には不平等が再び拡大した。とはいえ、要約不平等の信頼区間は広く、慎重に解釈する必要がある。 結論:COVID-19の大流行により、ペルーの小児予防接種の取り組みは一時的に中断し、特に貧困層が影響を受けたが、接種率は2022年までに大流行前のレベルまで回復した。これらの知見は、パンデミックがワクチンの公平性に与えた影響に関する乏しい文献に貢献するものである。
- Home
- 検索結果