背景モルヒネは、呼吸抑制や低血圧などの多くの副作用を有する鎮痛剤として、人工呼吸管理下の新生児に広く使用されています。しかし、モルヒネが胆道動態に与える影響を調べた研究はごくわずかです。したがって、本研究では、早産新生児におけるモルヒネと肝機能の関係を明らかにすることを目的としました。方法本研究は、2015年1月1日から2020年12月31日までに入院した新生児の病歴記録をレビューする後ろ向き研究として、女性健康研究センターで実施されました。対象は、妊娠週数(GA)24週以上37週以下の機械的換気療法を受けている早産新生児でした。参加者はモルヒネの使用有無により2群に分けられ、直接ビリルビン(DB)、総ビリルビン(TB)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の肝機能検査値を比較しました。結果本研究には133例の早産新生児が対象となり、そのうち73例がモルヒネを投与された群(グループA)と、投与されなかった群(グループB)に分けられました。平均GAは29.90 ± 5.18週、出生体重は1250 ± 418グラムでした。入院時、グループBのDB値はグループAより高かったです(54.71 ± 50.0 vs. 36.77 ± 48.53、= .038)。しかし、ピーク値と退院時の値はグループAでグループBよりも高かったです(それぞれ = 0.001と = 0.196)。ピークAST、DB、およびTB値はグループAで高かったです。結論本研究は、モルヒネが早産新生児の肝機能に与える影響と、モルヒネの肝毒性の可能性を示しました。臨床医は、胆汁うっ滞と肝毒性のリスクを回避するため、早産新生児においてモルヒネを慎重に使用すべきである。
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